2013年5月23日木曜日

プライマリケア連合学会にいってきました

『プライマリケア連合学会学術集会』


こんにちは。



杜の都、仙台に行って参りました。



久しぶりの学会、やはり身も心もリフレッシュされますね。



そして学会の恒例イベントの一つ、



『後期研修/フェローシップ紹介コーナー』



そこで我々在宅医療部も出展してきました。



今年は二日間で延べ100近いプログラムが紹介されるという、異例の事態。



最近のプライマリケア領域の盛り上がりは本当にすごいですね。



今、プライマリケアを志している若者達は、目移りしちゃって困るんじゃないでしょうか。



でも、10年前を考えたら、本当に幸せな状況です。



今回はこの『プログラム紹介』を通して、感じたことをつらつら書いてみたいと思います。



『“どの”プログラムも素晴らしい』


会場に行ってみて改めて感じたことです。



お世辞ではなく。



研修必須項目を満たしていて



とても良く練られていて



さらに改善するために日々努力がなされています。



普段の医療に対する真摯な姿勢が、



それぞれのプログラムを通して伝わってきました。



見ているだけでもちょっと幸せな気分になるくらい。


『“結果に違いは?”』



どのプログラムにエントリーしても、



それが修了する頃には



十分にいい家庭医・プライマリケア医になれそうな気がしました。



もちろん認定医や専門医受験資格も取れて、



職場を超えて交流もできて、



休みもお給料もそれなりにもらえそう。



どこにいっても(良い意味で)



得られる結果に大きな差はない



そういうことになるんでしょう。




『プログラムの"ウリ”』





各々のプログラムの“ウリ”と、



希望者のニーズがマッチする



これが一つの理想です。



この理想に近づくために、



展示ブースで伝えるべきこと。




亀田在宅プログラムの“ウリ”




っていうんでしょうか。



多職種連携?(どこでもやってる)



自分一人で運転して往診?(免許ない人どうすんの?)



システム?(ざっくりし過ぎ)




・・・・・




一番大事なこと。



というか、私たち自身が大事にしていること。




“過程”





研修の過程で幸せを感じられるか。




『時間に支配されない人生』http://www.gentosha.co.jp/book/b6459.html




の中で、著者ジョンキム氏はこう言っています。




『幸福とは、




一生懸命頑張って最終的に到達する地点ではない。





目標達成を目指して努力する今日にある。





もちろん結果は大事ですが、



研修している“過程”がもっとも大事です。



一番知っておいてほしいことは、



今ここで働いている



我々自身が



一日一日幸せを感じながら



仕事も生活も楽しんでいるということ。




そんなことを考えながら



展示資料を作ったら、



こうなりました。




今回お金はほとんどかかりませんでした






なんのプログラムだ?



別にこれ、



奇をてらったわけでも



ふざけてるわけでもありません。



普段通りの私たちの姿です。



もちろん、



この姿で往診しているわけではありませんが。



働いてる私たちが幸せであること。



そうじゃないと、



他人に、



ましてや未来の日本の在宅医療を背負って立つ、



ことになるかもしれない、



大事な人材に




『うち来なよ』




って言えないです。



今居る私たちが楽しんでいる。



まずはこれを知ってもらって、



「それなら私も楽しめそう」



そう思う人に来てもらえたら、



それでいいんです。



この温暖な



南房総ライフに興味があって、




私たちと一緒に楽しみながら働ける人。



そんな人に来てほしい。



できれば自動車免許持ってる人で。



免許ない人は、



すぐ隣に



鴨川ドライビングスクールがあるので、



研修見習い中にそこに通ってもらうのもあり。



トライアスロンは



必修項目ではありませんが、



興味があるなら喜んで教えます。



紹介展示中、



我々がお昼を食べるために席を外してしまい、



パンフレットだけ持って帰られた方が、



おそらく相当数いたと思うのですが、



(見栄ではなくて)



もし興味の湧いた方がいたら、




お気軽に連絡くださいね。




ということを申し添えて、



今回はこの辺で。


杜の都 仙台
緑が眩しかったです。




2013年5月20日月曜日

「~だけじゃない?」訪問薬剤師



「訪問薬剤師」
この言葉、きいたことありますか?

多くの人がこう答えると思います。

「えっ、薬剤師って訪問するの?」
『薬剤師って「調剤薬局の窓口で白衣を着て薬を渡してくれる人」じゃないの?』

・・・・・・じゃないんです。

今回は、そんな「訪問薬剤師」の役割について紹介します。


訪問薬剤師さんたち



何をどう飲んだらいいか解らないよ…


訪問看護に伺って
「今飲んでいるお薬を見せてください」とたずねると
ベットサイドに薬の袋がいくつも入ったスーパーの袋が無造作に置かれていたり、薬の残っている数もバラバラで、どうやらきちんと飲めていない様子。


こんなとき患者さまは
「薬がいっぱいありすぎて、飲んだか飲まないかわからなくなる」
「薬だけでおなかいっぱい」
「もう良くなったから飲まなくてもいいんでしょ?」

薬をきちんと処方どおり飲めていないと、治療の効果が発揮されす、病気が悪化する可能性があります。



こんな症状も要注意

「なんだか眠くて仕方ない」
「最近食欲がない」
「便が出にくい」
なども、薬を正しく飲んでいないことで起こる症状かもしれないのです。


薬剤師は薬の面で患者さまをやさしくサポート

そこで訪問薬剤師は薬を正しく飲んでいただくために

  • 朝昼夕と一回ごとに飲む薬のサンプルを作る
  • お薬カレンダーの提案や一回ごとの薬をセットする
  • 薬局からもらう「お薬説明書」を患者さまに合わせて新たに作る
 など、患者さまが自分のお薬を自分の身体のために正しく飲んでもらえるように様々な工夫をしています。

そうして、病気が悪化せずに、薬が原因で体調不良を引き起こしていないかを観察していきます。

薬を正しく飲んで、体調も良くなり、毎日生き生き暮らす患者さまたち。

薬の専門知識を持つ訪問薬剤師の存在は、在宅患者さまだけではなく、訪問看護師や医師にとっても、頼りになる存在です。

「薬局の窓口だけじゃない!薬剤師も訪問します」




















2013年4月8日月曜日

飲み忘れなし!


こんにちは
訪問看護の佐々木です。

今日は
カレンダーを活用して薬の飲み忘れがなくなった
その活用法を紹介します。


「お薬を飲み忘れることが多く便秘に苦しむK氏」

  • うっかり飲むのを忘れる
  • 使用していたお薬カレンダーのポケットが小さくて指が入らないので薬を出しにくい

「何かいいものはないかな…」

そんな時ひらめきました!


一目瞭然でしょう




日付の下に、朝夕2回分の薬を少しずらしてテープで張り付けています。
  • 一か月分セットできる
  • 取りやすい
  • 日付が大きくて見やすい
  • 飲み忘れていないかだれでも確認しやすい

薬がはがされていなければ、奥様やヘルパーさんから

「薬をまだ飲んでいませんよ~」とこえをかけられ、
「あ、そうだね。飲みましょう」と自分ではがしてその場で飲みます。

これでK氏は、薬の飲み忘れがなくなりました。
もちろん、便秘も改善です!

薬が一包化されていて、飲む回数が一日2回程度であればつかいやすいことうけあい!

皆さんのところではどんなものを使っていますか?

他にもいいアイデアがあったら教えてくださいね!









2013年4月1日月曜日

正しい知識で安心を!


ヘルパーさんへの勉強会

亀田ホームケアサービス勝浦(訪問介護事業所)から
「感染症について看護師さんから講義をして欲しい」という依頼がありました。

テーマは
『身近な感染症 「疥癬」「白癬」って入浴介助でうつる?』


疥癬についてレクチャーするNナース

勉強会が始まると、ヘルパーさんたちは緊張気味。

Nナースから、疥癬虫や白癬菌の特徴や注意事項について話を聞きながら、ヘルパーさんたちのこわばった顔が少しづつ緩んで安心した表情に変わっていきます。

次のセッションではお互いにガウンテクニックを練習しながら

「清潔」or「清潔ではない」

の演習を行いました。

「ここは外側だから清潔ではないよね?」
「あれ、間違えて清潔なほうを触ってしまった、、、」

Ns:「いいんです。今のうちに間違えを確認しておきましょう!」


ワイワイ賑やかな演習でした

勉強会に参加したヘルパーさんからの反応

  • 「白癬」と「疥癬」って同じだと思っていました。違いがよくわかりました。勉強できてよかったです。
  • ガウンテクニックは話を聞いたことはあっても実施する機会がなかったので、今回納得できるまで練習出来てよかったです。頭の整理ができました。
  • 初めは感染症が怖いイメージでしたが、知識が整理できて怖くなくなりました。演習も楽しかったです。

正しい知識と技術で安全なサービスを提供すること
そのうえで利用者も自分も守ること

勉強会を通してえられた効果です!
あとは日々の実践あるのみ!

ヘルパーさんが安心して私たち訪問看護師と協働できるように、これからも一緒に学んでいきたいと思っています。


 





2013年3月13日水曜日

『訪問看護師の学び方』〜訪問看護eラーニング〜

こんにちは
訪問看護 佐々木です。


「訪問看護師さんって特別な資格がいるんですか?」

よく聞かれます。

訪問看護師になるには特別な資格は必要ありません。

しかし、一人で訪問看護を行い、患者さんや家族に対応するためには、訪問看護師としての基礎的知識や技術はもちろん必要です。

現実は、スタッフの少ない訪問看護ステーションで研修の時間を作るのはなかなか大変!

「はやく一人立ちしてもらいたいなー・・・・・」

所長やスタッフは誰しもそう思います。

もちろん新任の訪問看護師も

「はやく一人前に訪問看護がしたい」と思っています。


そこで、訪問看護師の養成に役立つ研修が
「訪問看護eラーニング」です。
(詳しくは↓↓↓↓↓のリンクをクリックしてください)
http://www.jvnf.or.jp/e-learning/02/



新任のスタッフだけではなく、
  • 日頃からより質の高い看護を提供したいと考えている
  • 時間がなくなかなかまとまった研修が受けられない
  • いろいろ経験したけど、きちんと学びなおしたい
など、訪問看護師になって何年経っていても、外来の看護師でも、病棟の看護師でも受けることが出来ます。

                  
勉強熱心で努力家のKさん

訪問看護ステーションへの移動と同時に

この「訪問看護eラーニング」を受講し、見事修了証書をいただきました。

他の訪問看護事業所への実習は日頃の自分の看護を見直す良い経験だったようです。



右はeラーニングの前身である
「訪問看護師養成講習会」の修了生の面々との一枚。
いまや(超)ベテラン訪問看護師です!



実践をしながら理論を学ぶことで様々な「知」が結びつく。
曖昧だった根拠が明らかになる。

勉強していると、その瞬間ってたまらないですよね~。

訪問看護をすでに実践している方
訪問看護に興味のある方

今年は「訪問看護eラーニング」で訪問看護を学んでみませんか?




2013年3月8日金曜日

多職種カンファレンス開催の目的は?

こんにちは
訪問看護 佐々木です。

今日は「カンファレンス」についてのお話しです。


私たちの提供するサービスの目的は「患者さんや家族の価値観を尊重して、その人たちがその人らしい生活の実現をサポートする」ことです。

そのための手段の一つがカンファレンスです。

毎月一回行う職種チームカンファレンスでは

1.患者さんがどうなりたい(過ごしたい)と思っているのか(本人・家族の意向)

2.現在の問題とその対策

の二つについて、明確な情報を職種間で共有しています。

そのうえで、
1に向かうための計画を各職種の立場で検討しています。


だれのために行うのか

何のために行うのか


自分たちが問題点だと思っていたことが、患者さんにとっては問題ではなかったり、介入ポイントが自分たちの価値観にすり変わっている、ということに気がつくこともあります。

カンファレンスによって

メンバーの多様な価値観を知り、認め、尊重すること

自分たちの思考過程や実践の根拠を見直すこと

カンファレンスは、私たちにとってとても貴重な時間です。



カンファレンスで使用するシートの表紙






2013年3月4日月曜日

「がん看護勉強会応用コース」修了しました!

こんにちは。
訪問看護の佐々木です。

昨年4月、念願かなって訪問看護師となったKさん。
病院内の看護教育コース
「がん看護応用コース」の全過程を見事修了しました。





コースを修了した本人からのコメントです

『急性期病棟からの配属で、がん看護に関しては解らないことが沢山ありました。
毎月勉強会に参加しながら患者さまに向き合った時、
・今の症状がどうして起こるのか
・この薬剤を使用するのはなぜか
・化学療法や放射線治療を受けている患者さんや家族が、これまでどんな気持ちでがん治療を頑張ってきたのか
が理解できるようになっていきました。』

『観察点が増えて、これから起こることが予測できるようになったことも大きな学びです。

“先が見えない不安”に対応できるように患者さんや家族に合わせて、具体的に説明できるように活かしていきたいと思います。』

『これからはさらにスキルアップとして、リンパマッサージやアロマテラピーなど、直接的なケアも学んでいきたいです。』


素晴らしい~(パチパチ…)


彼女の真摯な姿に、ベテラン陣もいい刺激を受けました。

「意思ある学び」のできるスタッフの存在は我がステーションの強みです。


2013年3月2日土曜日

薬ってどんな味?

こんにちは。
訪問看護の佐々木です。

今日は在宅で痛みのコントロールによく使用する薬

「オキノーム」(医療用麻薬)

の味見会がありました。

もちろん、味見の薬には麻薬成分は入っていませんよ!
味や食感、水への溶けやすさなどを、服用する患者さんの身になって体験してみようという趣旨の会です。





オキノームをはじめとする速効性の医療用麻薬は、主にがんなどの痛みを有する患者さんに対して「痛いとき」や「痛みがくると感じたとき」に飲みましょうと、説明をしています。
ただし、これが粉薬なので「飲みにくい」「(麻薬は)苦い」という先入観があり、服薬を躊躇する場合もあります。

その際には、痛みを取るためには効果的であることをお話しするのですが、実はこのお薬、実際に飲んだ経験のあるスタッフはほとんどいません。


添加成分の説明をする薬剤師さん


                                       
味見の感想は・・・
「意外に甘くて飲みやすい」
「量が多くなると舌にねっとりまとわりつくね」
「2,5gは自然に飲めたけど、10gは1回で飲むには量が多い」
などなど・・・。





「オキノームの味・食感」を体感してみて、今までよりも、さらに具体的に患者さんに説明できるようになりました。

患者さんには、飲む前に少しでもイメージを明確にしてもらって、安心して飲んでいただきたいと思います。
 

2013年2月23日土曜日

訪問看護の必須アイテム

こんにちは
訪問看護 佐々木です。

訪問看護師が絶対に持っている物
血圧計
体温計
聴診器
ペンライト・・・などなど

これ以外の必須アイテムって、何かわかりますか?

それは
「カメラ付き携帯電話」です。
単独行動の訪問看護師にとって無くてはならないものの一つです。

電話としての機能はもちろんですが、「カメラ」が私達の相棒です。

使用目的として一番多いのは、患者さんの皮膚に異変(発赤・発疹など)があったとき、カメラで「パチリ!」と撮影。
往診医や皮膚科医にコンサルテーションを行うとき、写真があるとその場で診断に役立ちます。


胃瘻の周りの皮膚に不良肉芽が・・・

例えば褥瘡を定期的に撮影することで、スタッフでその変化を見比べ、カンファレンス等でケアの方法を検討できます。

褥瘡の治癒経過を勉強中!



またある時は、ご夫婦の仲むつまじい様子を「はい、チーズ!」なんていうことも。
写真にして差し上げると、思いのほか喜んでいただけます。

看護師←→医師間だけにとどまりませんよ~。
栄養士や薬剤師、リハビリスタッフの訪問の時も、患者さんの変化をカメラに収めて、看護師や医師にコンサルテーションする事もあります。

状況説明に加え、映像があることで、判断がより的確にできます。

写真に残しておくことは、教科書では学びきれない事をチームで共有することができ、知識を積み重ねる機会につながっています。

「カメラ付き携帯電話」

訪問の現場で
患者さん・孤軍奮闘するスタッフ・そしてチームメンバーを繋ぐ、貴重で、無くてはならないツールです。

型は古いけど手になじみます・・・

※タブレット端末が導入される日も近い?????

2013年2月18日月曜日

悪くなったら受診すればいい?

こんにちは
訪問看護からの投稿です。

先日の「訪問看護をつかいこなそう」の研修で事例提供したケアマネさんから、こんな話がありました。

『利用者の状態が不安定で発熱を繰り返し、そのたび受診に行っていましたが、受診も負担になったため、主治医に訪問看護の利用をお願いしました。ところが、主治医から

「訪問看護がはいっても仕方ないでしょ。具合が悪い時は受診して入院すればいいんだから」

と言われ何回かお願いしたけどだめだったので、主治医を変えて訪問看護をお願いしました』

「・・・・・・・・・。」

憤りを感じたのは言うまでもありません。

医療の現場で「医師」と「看護師」って一番密接でお互いの仕事を理解している存在であるはずなのに、訪問看護ステーションの顧客でもある医師にすら、まだまだ訪問看護の機能や役割が浸透していない!

そして、訪問看護の必要性を訴えることにケアマネさんが奔走しているという現実。

私たち訪問看護師が、「伝える」ことにもっと力を注いでいかなければと、これからの課題を重く受け止めました。

さきのケアマネさんのケースは、入院の度に生活の質が低下していたけど、訪問看護導入によって病状の変化時は主治医と連携して自宅で点滴ができ、その後一度も入院することなく安心して生活できるようになったそうです。

訪問看護は、病状が安定し安心して生活できることをサポートします。

そのうえでその人らしくしたいことが実現できるのです。


伝えよう!訪問看護の実践を!








2013年2月14日木曜日

『訪問看護をつかいこなそう』

こんにちは。
訪問看護からの投稿です。

今日は2月9日に茂原で行われた訪問看護ステーションとケアマネージャーの合同研修

「訪問看護をつかいこなそう」

についてお話したいと思います。



「もっと早く訪問看護につないでくれれば、こんなに悪化することはなかったのに・・・・・」



介護保険が始まって2-3年の頃、ケアマネージャーからの訪問依頼に、こう思うことが少なくありませんでした。


在宅療養をしている高齢者は、些細なことがきっかけで身体の様々な機能が低下します。

何らかの理由で食事摂取量が減った
  ↓
脱水・体力低下・免疫低下
  ↓
感染症
  ↓
体重減少
  ↓
転倒・骨折しやすい
  ↓
寝たきり・褥瘡発生

この状態が悪循環となり、元の暮らしに戻ることがどんどん難しくなります。

ところが、当時のケアマネージャーは、在宅での医療ケア(尿道カテーテルの管理や褥瘡の処置など)継続の必要性が出てきた時点で、訪問看護へつなぐケースがほとんどでした。

「もっと早く訪問看護へ・・・」と伝えると、「医療処置がないのに訪問看護を頼めるのですか?」という答えが必ず帰ってきました。

つまりなにが問題だったのかというと、

当時のケアマネさん達には、

私たち訪問看護師が「リスクを把握し、起きることを予測して観察・対応する」予防の視点をもっているということが、ほとんど認識されていなかったのです。



これには、訪問看護の実践が『居宅』という空間で展開され外から解りにくいことと、利用者が病状の悪化なく過ごせている現状を十分に伝えていない訪問看護にも責任があります。

さらに、ケアマネさん側の思いとして、訪問看護に入ってもらえたらきっと悪くならずに過ごせると思っても、訪問看護師は怖い」「相談しても冷たくあしらわれそう」というネガティブなイメージがあり、輪をかけて訪問看護を依頼しにくくなっていたのです。

そこで、介護保険のケアマネジメントの入り口であり、キーパーソンであるケアマネージャーに、もっと訪問看護の役割や機能、効果を知ってもらい、「高齢者が悪循環に陥らないうちに訪問看護につないでほしい」「もっと訪問看護の実践と効果を伝えたい」とはじまった研修が
「訪問看護をつかいこなそう」でした。


その研修も今年で6回目となりました。
毎回60-70名の参加があり、講演や事例検討、フリートークの時間を組み合わせ顔の見える交流を行っています。お互いのことを理解することからはじまり、利用者のケアマネジメントにおける目的を共有し協働することで、訪問看護の実践や効果を実感してもらえるようになっています。
この研修はリピーターも多いのですが、噂をききつけて初めて参加してくれた人も沢山います。

「この研修をきっかけに訪問看護ステーションに相談しやすくなりました」
「解らないことはすぐに電話できています」
「福祉系のケアマネ―ジャーにとってなくてはならない存在です!」
「訪問看護に入ってもらって利用者さんが入院しなくなりました」

・・・・と、うれしい反応を沢山聞くようになりました。



『訪問看護がケアマネさんにとって身近で相談しやすい仲間になっている』、『訪問看護をつかってくれている』、と年々実感する有意義な研修になっています。

訪問看護をつかって、安心した在宅療養の継続とその人らしい生活をサポートするため、連携していきましょう!!

長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。







2013年2月12日火曜日

訪問看護はカバン持ち?

こんにちは。
訪問看護からの投稿です。


「訪問看護はDrのカバンをもって診察に同行するの?」


「訪問看護って何をやるかイメージできる?」とたずねると、上記のような答えが返ってくることは少なくありません。

訪問看護というと、医師の往診に同行し「血圧や脈を測定する人」というイメージが、まだまだ固定しているようです。
というより、そのイメージが変化するような機会がないまま過ぎているということかもしれません。

訪問看護師は
  • 自分の訪問バックを持って患者の家を一人で訪問します
  • 訪問看護師の役割はその方のニーズに合わせ多様です。その方に合わせていかようにも変化します。
まだよくわからない・・・
じゃあ、一体何をしてくれるの?どうやって頼むの?
うちに来てくれるの?

「訪問看護」利用で在宅療養に対しての不安や心配が軽減するだけでなく、病状の悪化も防ぐことができます!

たとえばこんなとき・・・
  • 家族は介護ができるだろうか・・・
  • 退院して病気が悪くなったらどうする?
  • 間違えずに薬がちゃんと飲めるかな?
  • 病院で習ったことが家でもちゃんとできるかな?
  • リハビリして歩けるようになったけど、家で転ばないか心配
  • 療養生活を考えると不安だらけ 仕事や収入、生活はどうなるの? など

漠然とした「不安」や「心配」を一つずつ明らかにして、病院のソーシャルワーカーやケアマネージャーと連携し、退院までのサポートをします。退院後は定期的にご自宅を訪問し、安心して療養生活を送れるようにお手伝いをしていきます。

まず、総合相談室のソーシャルワーカー
http://www.kameda.com/patients/nursing_care/nursing_care_01.html
に気軽に相談してみてください。


いかがですか?
訪問看護のイメージ、すこし変わるきっかけになりましたか?



2013年2月8日金曜日

排泄ケア勉強会〜後編

こんにちは。
若手在宅医@編集担当です。

排泄ケア勉強会で「排便」に関して勉強してきました。

後編では便秘に関して熱く語りたいと思います。

前編はこちら http://kmhomecare.blogspot.jp/2013/02/blog-post.html


(3)便秘いろいろ

便秘と言っても実は色々な種類があります。

その前に、医学用語が出てくるので、少し豆知識を・・・
いわゆる大腸とは盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸に分類されています。
上行結腸から横行結腸までを右結腸、下行結腸からS状結腸を左結腸と呼びます。

講師の先生が大腸通過時間検査を用いて行った調査では
多い方から直腸性便秘、弛緩性便秘、亢進型、左結腸性、正常、その他という順番だったそうです。
直腸型、亢進型、正常型を合わせて全体の50%で、この3種類は少なくともS状結腸までは異常なしです。


(4)排便の極意

ウンチを出すために必要な要素は3つあります。
 一、食物繊維        (十分に出す物がある)
 一、大腸通過時間      (良い状態の物が出口に送られてくる)
 一、直腸からの排出能力   (しっかり押し出せる)

 もっとも頻度が多かった直腸性の便秘について掘り下げていきたいと思います。


(5)自力で肛門は開けません!

肛門には閉めるための筋肉はありますが、開くための筋肉は存在しません。
つまり口や目のように自分で開けることは不可能です。


では便はどのように体外に出ていくのでしょうか?

それは 便意を感じた時に
    肛門を開けるためのモノがあって、
    モノに適切な力が加わることで体外に出ていきます。

直腸性便秘では以下のような原因があり、便が直腸に溜まりカチカチになり出にくくなってしまいます。
 ・便意を感じない(脳梗塞後遺症などの原因による)
 ・感じても逃してしまう(忙しい、足が悪くてトイレに行くまでに時間がかかるなど)
 ・腹圧がかけられない(姿勢を保つことができないなど)

この状態で下剤を増やしたりすると便失禁(漏らしてしまう)の原因になることもあります。
つまり便を漏らしてしまう原因の一部には直腸型の便秘が潜んでいる可能性があります。


さて後半は少し長くなってしまいましたが今回勉強した内容はいかがでしたか?
便に関して少しでも関心を持って頂ければ幸いです。

今後も勉強会で学んだことをご紹介してきたいと思いますので宜しくお願いします。